シンポジウムに参加

 3月17日(土)、早大戸山キャンパスで行われたシンポジウム「あれから7年 ~わたしたちはフクシマを忘れない~ 首都圏への長期避難者が抱える葛藤と課題」に参加してきました。

 

 一般社団法人シニア社会学会「災害と地域社会」研究会と早稲田大学総合人文科学研究センター「現代社会の危機と共生社会創出に向けた研究」部門の共催によるシンポジウムで、4回目となる今回は福島から首都圏に避難されている方々に焦点をあて、当事者のお話を聞くというものでした。

 

 私たちは福島県いわき市へ毎月通い、オーガニックコットン栽培の支援を行っていますが、日ごろほとんど接触のない首都圏への避難者たちの生の声を聞くことができ、多くのことを考えさせられました。

 

 特に印象に残った言葉は、福島県浪江町から横浜市へ避難された方の「もう避難者をやめたい」という発言でした。この言葉にはいろいろな意味が込められていました。ふるさとを思い、その愛着から早く帰りたいと願う気持ちがある一方で、避難先の新しい生活にも次第と慣れていき、新住民として新天地でなじもうとする意識も芽生え始めている。そんな中で、避難民としてひとくくりにされている現実を見つめた時、「もう避難者をやめたい」という叫びにつながっていったように思いました。

 

 私たちが避難者とひとくくりにするとき、そこにはどうしても同情の余地というものが入ってしまいがちです。「避難者かどうかは個人の認識の違いによる」という話もハッとさせられました。私たちはとかく、早くみなが故郷に戻れる日がくればいい、と考えがちですが、新しい道へ進もうと決意した人たちにも支援の目を注ぎ続けていく必要があるのだと思い知らされました。